ZOOMのMultiStompシリーズ、特にMS-70CDRや後継機のMS-70CDR+は、非常に人気の高い空間系マルチエフェクターです。
しかし、価格が安いこともあり、「zoom ms-70cdr 音痩せが気になる」と不安に思い、検索される方が後を絶ちません。
この不安は、価格が安いからこそ「音質的にどうなの?」と感じる方が多いことが理由かもしれません。
空間系エフェクターをコンパクトにしたいし、ボードはできるだけ軽くしたいんだけど、MS-70CDRの音痩せが心配で踏み切れないんだ。
そのお悩み、よくわかります。当記事では、MS-70CDRの音痩せに関して、具体的な検証結果に基づきその真相を徹底的に解説します。
さらに、実際に使用しているギタリストのレビューや、このペダルのポテンシャルを引き出す音作りのコツまで網羅的にご紹介していきます。
この記事を読めば、あなたの不安は解消され、導入すべきかどうかの判断が明確になるはずです。
この記事を読むとわかること
- ZOOM MS-70CDRの音痩せに関する客観的な検証結果
- 音痩せの原因とされるゲイン落ちの定義と真相
- MS-70CDR+のノイズやメリットデメリットなどの詳細情報
- 空間系エフェクターの集約によるボード軽量化のメリット
検索多数!ZOOM MS-70CDRの音痩せの真実
- 音痩せ検証の方法と使用機材
- スペアナによる検証結果の解説
- ゲイン落ちと音痩せの定義について
- インピーダンスによる影響の補足
- MS-70CDR+の基本スペックと価格
- 実際の演奏動画とユーザーレビュー
音痩せ検証の方法と使用機材
zoom ms-70cdr 音痩せの有無を客観的に検証するため、単なる「感覚」ではなく、スペクトラムアナライザを用いて視覚的に比較する手法が採用されました。
この検証は、音質変化を数値とグラフで捉えることを目的としています。
具体的には、まずピンクノイズを録音したルーパーを用意し、ルーパーからオーディオI/Fに直で繋いだ音を基準としました。
次に、その間にMS-70CDRをノンエフェクトの状態で挟み込み、再度計測しました。
ここで重要なのは、MS-70CDRをバイパスの状態(エフェクトをかけていない状態)で挟むことにより、純粋に機材を通過したことによる信号の変化を見るという点です。
検証の意図
この検証の目的は、MS-70CDRのノンエフェクト時の回路が、信号にどのような影響を与えるかを周波数特性の面から明らかにすることにあります。
スペアナによる検証結果の解説
計測結果によると、MS-70CDRは非常に優秀であることが分かりました。
ルーパーからオーディオI/Fに直結した音と、間にMS-70CDRを挟んだ音とをスペクトラムアナライザで比較したところ、周波数帯域の特性はほぼ変わらないという結果が得られています。
本来、公式でトゥルーバイパスを謳う説明は見当たらないため、多少の変化は予想されました。
しかし、実際には極めて少ない音質変化で信号を通過させており、デジタルペダルとしては非常に高いクオリティであると言えます。
この結果は、MS-70CDRの回路設計が優れていることの証明になります。
ゲイン落ちと音痩せの定義について
前述の通り、周波数特性はほぼ変わりませんでしたが、検証の結果、若干ゲイン(音量)が落ちる現象が確認されています。
このゲイン落ちの原因は、回路を通ることによる音痩せとは、本質的に異なるものです。
その理由は、間にエフェクターというペダルが増えたことによる接点の増加と、使用したパッチケーブルの長さ分の抵抗が原因だと考えられるからです。
言い換えれば、これはトゥルーバイパスのペダルであっても、接続数が増えれば同様に発生する物理的な現象だということです。
音痩せとゲイン落ちの違い
一般的に、音痩せは特定の周波数帯域(特に高域)が削られることによる音質の劣化を指します。
一方、ゲイン落ちは、音量全体が下がる現象であり、周波数特性が変わらない限り、音質の劣化とは判断されないことが多いです。
したがって、この微細なゲイン落ちを「音痩せ」の定義に入れるかどうかは意見が分かれるところですが、客観的な検証結果からは音質劣化と呼べるほどの変化ではないと結論付けられます。
インピーダンスによる影響の補足
今回の検証では、ルーパーから出力されたピンクノイズが用いられました。
ここで注意しなければならないのは、ルーパーからの出力信号が、ギターからの出力信号よりもインピーダンス値が低いと思われる点です。
インピーダンスが低い信号は、高い信号よりも劣化しにくい性質を持っています。
ギター直結時の留意点
検証結果はこのようになりましたが、ギターから直でMS-70CDRに繋いだ場合においては、ハイインピーダンスの信号が入力されるため、別の結果になる可能性は否定できません。
これは、ピンクノイズの出力信号のインピーダンスをギターに近い値に変更する必要があるため、そこまでは検証できていません。
しかし、そこで諦める必要はありません。もしMS-70CDRをエフェクターボードの2台目以降に接続するのであれば、信号が他のペダルのバッファを経由し、すでにローインピーダンス化されています。
そのため、ローインピーダンスでの検証結果から、音痩せは無いものと思って問題ないと結論づけています。
ZOOMの他のMultiStompシリーズ(MS-50GやMS-60Bなど)も構造が同様であるため、同様の結果が期待できます。
MS-70CDR+の基本スペックと価格
ZOOM MS-70CDR+は、日本のメーカーであるZOOMが製造しており、高いコスト・パフォーマンスで知られています。ここでは、その主要なスペックと市場価格についてまとめています。
#### 空間系特化のマルチエフェクター
このペダルは、空間系エフェクターに特化している点が大きな特徴です。
具体的には、43種類のコーラス/モジュレーション、29種類のディレイ、33種類のリバーブ、44種類のダイナミクス/フィルター/SFX系エフェクトを内蔵しており、ギターやベースなどに多彩な響きを加えることが可能です。
項目 | MS-70CDR+ スペック概略 |
---|---|
内蔵エフェクト | 合計149種類(コーラス、ディレイ、リバーブなど) |
パッチメモリ | 最大100種類を保存可能 |
サイズ | 133 (D) x 79 (W) x 61 (H) mm(コンパクトで携帯性良) |
電源 | 9V DC、単3アルカリ電池×2本、USBモバイルバッテリー |
価格相場 | 新品:15,000円前後、中古:11,000円前後(2025年3月12日現在) |
このように、コンパクトながらこれだけの多機能性を備えているため、空間系エフェクターをコンパクトにしたいというニーズに最適です。
実際の演奏動画とユーザーレビュー
MS-70CDR+は、そのコンパクトなサイズにもかかわらず、操作性がよく考えられていると評価されています。
実際の演奏動画からも、しっかり使えるサウンドから、飛び道具的なエフェクトまで、幅広い音色が揃っていることが確認できます。
#### 多彩な空間系エフェクト
ユーザーレビューでは、コーラス、ディレイ、リバーブを中心とした149種類ものエフェクトを内蔵している点が、非常に素晴らしいと好評です。
事前に設定した音をすぐに呼び出せるプリセット機能により、演奏中でも簡単に音色を切り替えられる利便性も高く評価されています。
また、サイズが一般的なコンパクトエフェクターと同じ程度であるため、小さなボードにも簡単に収まる携帯性の良さも、多くのギタリストにとって大きな魅力となっています。
ライブや練習時の持ち運びが楽になるため、ボードはできるだけ軽くしたい方にとっては理想的なペダルの一つと言えるでしょう。
音痩せを気にせず導入するMS-70CDRの魅力
- 音痩せと合わせて気になるノイズ対策
- MS-70CDRのメリットデメリットを比較
- プリセット活用など音作りのコツ
- 代表的な定番マルチエフェクターとの比較
音痩せと合わせて気になるノイズ対策
音痩せと同様に、マルチエフェクターで懸念されがちなのがノイズの問題です。
しかし、MS-70CDR+は、提供された情報によるとノイズは少ない方であるとされています。
使用環境や電源によってはノイズが発生する可能性もありますが、安心して使えるレベルにあると考えて差し支えありません。
もしノイズが気になる場合は、電源環境の見直しが効果的です。
特に単3アルカリ電池やUSBモバイルバッテリーでの駆動も可能なため、これらの電源を試すことで、ACアダプター使用時とは異なる結果が得られることもあります。
言ってしまえば、電源が原因のノイズであれば、外部環境に依存しない駆動方法を選ぶことが最善の対策になります。
MS-70CDRのメリットデメリットを比較
MS-70CDR+の導入を検討する上で、その特徴を明確にするために、良い点と気になる点を比較してみましょう。これは、多角的な情報提供を心がける上で重要な要素です。
良い点(メリット) | 気になる点(デメリット) |
---|---|
リバーブ、ディレイ、コーラスなど多彩なエフェクトが豊富 | 個別のエフェクトの音質は専門的な機材に比べ劣る場合がある |
非常に軽量でコンパクトなデザイン、持ち運びが便利 | 個人的にディスプレイのグラフィックに癖があると感じる |
一度に複数のエフェクトを使用でき、音色の幅が広がる | より繊細な音質を求めるミュージシャンには物足りない可能性 |
iOSアプリからパッチ編集やエフェクト追加が可能 | ハイインピーダンス入力時の音痩せの検証は完了していない |
このように、最大の魅力はやはり**多彩なエフェクト**と**コンパクトさ**の両立です。
一方で、個別の音質は専用機に譲る部分があるため、あくまで「多機能でコンパクト」なマルチエフェクターとして期待値を設定することが大切です。
プリセット活用など音作りのコツ
MS-70CDR+の持つ多彩な音作りを簡単に行いたいというメリットを最大限に活かすためには、プリセット機能と自宅練習での活用が鍵となります。
#### プリセットを最大限活用する
MS-70CDR+は、事前に複数の音色をプリセットしておき、ライブ中に必要なエフェクトを即座に呼び出すことが非常に便利です。
多くのギタリストは、曲ごとに必要な音色をあらかじめ設定しておくことで、演奏の流れを崩さずに**多様な音**を表現しています。
また、複数のエフェクトを同時に使用できるので、曲やパートごとに複雑な空間サウンドを簡単に切り替えることが可能です。
#### 自宅練習やDTMで活用する
自宅でのデモ録音やレコーディング(DTM)で活用することもおすすめです。
ディレイやリバーブで空間的な広がりを持たせたりすることで、演奏に**深み**を与えることができます。
操作がシンプルなので、録音中に手軽に音作りを調整できる点も大きな利点です。
代表的な定番マルチエフェクターとの比較
空間系に特化したMS-70CDR+は、他の定番マルチエフェクターと比較することで、その独自性が際立ちます。他の機種との主な違いを見ていきましょう。
機種名 | 主な特徴 | MS-70CDR+との主な違い |
---|---|---|
ZOOM / MS-50G+ | コンパクトサイズでアンプモデルを含む100種以上のエフェクト内蔵 | アンプモデル非搭載(空間系に特化) |
BOSS / GT-1 | 高品位エフェクトとアンプモデリング、軽量で電池駆動が可能 | 空間系以外のエフェクトやアンプモデルも含む総合マルチ |
Line 6 / HX Stomp | Helixの高音質を小型化、300種以上のエフェクト/アンプ、オーディオI/F機能 | 価格帯が大きく異なり、こちらは空間系に特化したサブ機的な位置づけ |
このように、MS-70CDR+は**空間系特化**と**コンパクトさ**で他の総合的なマルチエフェクターと差別化されています。
これは、歪み系は好きなコンパクトペダルを使いたい方や、エフェクトループに入れて空間系をまとめたい方に特に適しています。
まとめ:ZOOM MS-70CDRは音痩せを気にせず導入可能
最終的な結論として、**zoom ms-70cdr 音痩せ**の懸念は、客観的な検証結果や使用方法を考慮すれば、ほとんど気にせず導入できるレベルであると言えます。
多くのユーザーがその高いコストパフォーマンスと機能性を享受しています。
- ZOOM MS-70CDRの音痩せに関する検索は多いが、検証では音質劣化は確認されていない
- スペクトラムアナライザでの比較により周波数特性はほぼ変化しないことが示された
- わずかなゲイン落ちは接点の増加によるもので、一般的な音痩せの定義とは異なる
- エフェクターボードの2台目以降に接続する場合は音痩せの心配はほぼ不要
- 空間系エフェクターをコンパクトにまとめたいというニーズに最適である
- 43種類のコーラス、29種類のディレイ、33種類のリバーブなど多彩なエフェクトを内蔵している
- 本体は非常に軽量でコンパクトであり、持ち運びやボード組み込みが容易
- 価格は非常に安価で、特に中古市場価格も手頃である
- ノイズは少なく、安心して使用できるレベルにあると評価されている
- プリセット機能を最大限活用することで多彩な音色を即座に呼び出せる
- 自宅練習やDTMなど様々なシーンで活用が可能である
- 他の総合的なマルチエフェクターとは異なり空間系に特化している点が強みである
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