JC-120で音作り!メタルを極めるBOSSのMT-2活用術

「JC-120 音作り メタル」というキーワードで検索されているあなたは、きっとスタジオやライブハウスの定番アンプであるローランドのジャズ・コーラス、通称JC-120を使って、パワフルなハイゲインサウンドを実現したいと考えているのではないでしょうか。

トランジスタアンプの代名詞とも言えるJC-120は、そのクリーンサウンドの美しさで知られていますが、「ディストーションが全然歪まない」「エフェクターを使っても音がジャキジャキになってしまう」というJc120 音硬い問題に悩むギタリストも少なくありません。

しかし、ご安心ください。本記事では、JC-120の持つポテンシャルを最大限に引き出し、外部の歪みエフェクター、特にBOSSのMT-2（メタルゾーン）を活用することで、初心者でも簡単に重低音のキメ細かい歪みサウンド、すなわち「もはやJCの音じゃない」と評されるようなJC 120 歪みの作り方を、具体的なセッティング例とともに徹底的に解説していきます。

JC-120で実現する理想のメタルサウンド！音作りを徹底解説

• ロックギタリストにJC-120が選ばれる理由
• トランジスタアンプでの歪み音作りの基礎
• JC-120でメタルの歪みを得るには外部ペダルが必要
• なぜBOSSのメタルゾーンがJC 120 歪みに最適なのか
• メタルゾーンの広範なEQでJc120の音硬さを解消
• JC-120の特性を活かしたトランジスタアンプの音作り

ロックギタリストにJC-120が選ばれる理由

ローランドのJC-120は、1976年の発売開始以来、長きにわたり日本を代表するギターアンプの定番機種として愛され続けています。

古くからジャズやフュージョンギタリスト向けにクリーンサウンドに焦点を絞って設計されました。

しかし、ロックギタリストにも愛用者が多いです。

多くのロックギタリストは、JC-120を「安定していて、どこにでもほぼ必ずあるから」という理由で、機材車やローディーがいないアマチュア時代から重宝しています。

アンプが変わるたびに音作りを一からやり直す手間を省けるため、非常に実用的です。

トランジスタアンプでの歪み音作りの基礎

ギターアンプは、大きく分けて真空管アンプ（チューブアンプ）とトランジスタアンプ（ソリッドステートアンプ）の2種類があります。この違いが、歪み音作りにおいて非常に重要となります。

種類	特徴	歪み方
真空管アンプ (例: Marshall, Fender Twin Reverb)	アンプ内部の真空管が音の心臓部。	真空管をフルドライブさせた、柔らかく粘りのある歪み（アンプ本来の歪み）。
トランジスタアンプ (例: JC-120)	電子部品で音を処理する。	ニュートラルで素直なクリーンサウンド。歪ませても硬く、ハイゲイン向きではない。

JC-120のようなトランジスタアンプは、アンプのプリアンプ部で自然な歪みを作る真空管アンプとは異なり、あくまでもエフェクターの音をそのまま出力する「モニター」的な役割を担うことに長けています。

そのため、トランジスタアンプで良い歪みを作るためには、アンプの歪み機能に頼るのではなく、外部の高性能な歪みエフェクターを使用し、その音色を正確に出力させるという考え方が基本となります。

JC-120でメタルの歪みを得るには外部ペダルが必要

JC-120のチャンネル2にはディストーション機能が内蔵されていますが、これは現代のメタルサウンドで求められるような「重低音でキメ細かく、サステインの効いたハイゲイン」とはかけ離れた、

どちらかというと古いロック系のクランチに近い、素朴で硬い歪みです。

そのため、ヴァン・ヘイレン「パナマ」風やメタリカ、パンテラのようなサウンドを求める場合、内蔵のディストーションで満足するのは難しいと言えます。

JC-120内蔵ディストーションの注意点

チャンネル2のディストーションは、クランチトーンとしては味わい深い歪みを作り出せますが、メタル向けのハイゲインとしてはゲインや低音域が不足し、音が細くなりがちです。

また、ごく抑えたセッティングでクリーンサウンドに太さや艶を足す使い方もできますが、主体の歪みとしては外部ペダルに頼るのが得策です。

結論として、JC-120でメタルサウンドを作るためには、十分なゲインと積極的な音作りが可能なイコライザーを搭載した、外部のディストーション・ペダルが必要不可欠となります。

なぜBOSSのメタルゾーンがJC 120 歪みに最適なのか

数ある歪みエフェクターの中で、BOSSのMT-2（メタルゾーン）は、JC-120でメタルサウンドを作るための決定版とも言えるペダルです。その理由は、以下の2点に集約されます。

圧倒的なゲインとプリアンプ並みのEQ

メタルゾーンは、その名の通り十分に深く歪みます。

一般的なディストーションペダルと異なり、HIGH、MID、LOWの3バンドイコライザーに加え、ミッド・フリーケンシー（中域を主体にかけるトーンコントロール）が搭載されており、このEQの効き幅が非常に広いことが特徴です。

これにより、プリアンプのように音作りが可能となり、JC-120でありながら低音の利いたハイゲインサウンドを作り出すことができます。

クランチからファズのような音まで、音作りの幅が無限に広がるペダルです。

高い汎用性と信頼性

メタルゾーンは、手軽に購入でき、かさばらないコンパクトなペダルです。

そして「メタルゾーンがあれば、何とかなる」と思えるほどの「とりあえず最低限食える」音を作り出せる高いポテンシャルがあります。

JC-120という安定した土台に、メタルゾーンという強力なEQとゲインを持つペダルを加えることで、どこに行っても「～っぽい」音が出せる万能なシステムが完成します。

メタルゾーンの広範なEQでJc120の音硬さを解消

JC-120のクリーンサウンドは、そのニュートラルさゆえに「音が硬い」「中域が軽い」と感じられやすく、このJc120 音硬い特性がハイゲインサウンドの迫力を削いでしまうことがあります。

しかし、メタルゾーンの広範なイコライザーを使えば、この問題は解消できます。

JC-120のクリーンは、エフェクターの持つ音色を素直に反映するため、メタルゾーン側で中域を大きく削る（ドンシャリ）、あるいは逆に中域を強調するといった積極的な音作りが可能です。

特に、ミッド・フリーケンシーを調節することで、音の太さや存在感をピンポイントでコントロールできます。これにより、JC-120の持つ硬質な高音域を活かしつつ、低音域をブーストして重厚感を加えることが可能となり、メタルサウンドに必須な図太い重低音を作り出せます。

JC-120の特性を活かしたトランジスタアンプの音作り

トランジスタアンプであるJC-120で、外部ペダルを最大限に活かすためには、アンプ本体のセッティングにもいくつかのコツがあります。

インプットの使い分け

JC-120にはHIGHとLOWのインプットがあります。

通常はHIGHにつなぎますが、ストラトなどのシングルコイル系ギターでも、音が耳につく、あるいはエフェクターを踏んだときに扱いづらいといった場合は、あえてLOWインプットにつないでみましょう。

LOWにつなぐことで大入力に対応し、音がまとまりやすくなり、音作りがしやすくなる場合があります。

BRIスイッチの活用とEQ調整

音がこもっていると感じた場合、BRI（ブライト）スイッチをONにするとプレゼンス（超高域）が強調され、音抜けが良くなります。

ただし、BRIスイッチをONにした場合は、TREBLEのつまみを下げるなどして高音域のバランスを取る必要があります。

また、音抜けが悪い場合のもう一つのコツとして、TREBLEを上げずにMIDDLEやBASSを下げてからVOLUMEを上げるという方法があります。

これは、相対的にTREBLEが上がったことになり、高域のキャラクターを変えずに抜けを改善することができます。

内蔵ディストーションの隠れた使い方

音がいまいち細くて前に出てこないと感じる場合は、内蔵のDISTORTIONスイッチを「カチッ」と入れただけの状態（わずかに上げる）にしてから音作りをスタートしてみましょう。

これだけで中域が太くなった状態から音作りを始められるため、外部ペダルの音をより力強く支えることができます。

メタルゾーンを活用したJC-120 音作りの具体的なセッティング

• メタルゾーンをプリアンプ的に使うメリット
• JC-120とBOSS MT-2によるハイゲインセッティング
• センド/リターン端子を活用したJC-120 音作り
• 他のペダルとBOSS MT-2の比較レビュー
• JC-120 音作り メタルの王道セッティングまとめ

メタルゾーンをプリアンプ的に使うメリット

メタルゾーンは、その強力なEQ性能から、単なるディストーションペダルとしてではなく、プリアンプとして機能させることが可能です。

プリアンプとは、ギターの信号をアンプで増幅させる前に音色を作り込む部分のことです。

メタルゾーンで低音を増強し、音の輪郭を調整した信号をJC-120に入力することで、JC-120本来のクリーンなパワーアンプ部が、その「作り込まれた音」を忠実に大音量で出力してくれます。

これにより本来のJC-120では出せないような、図太く、キメ細かく、そして迫力のあるハイゲインサウンドを実現することができます。

また、メタルゾーンのLEVEL（音量）を上げることで、JC-120のVOLUMEを上げるのとは異なり、音の輪郭をはっきりさせながら音圧を稼ぐことができます。

JC-120とBOSS MT-2によるハイゲインセッティング

JC-120でメタルサウンドを狙うための具体的なセッティングは、以下の調整を参考にしてください。

JC-120本体のセッティング

コントロール	推奨セッティング	備考
VOLUME	4～5程度	バンドアンサンブルで適切な音量を確保
BRIスイッチ	OFF	メタルゾーンで高域を調整するため基本はOFF
TREBLE	4～6	メタルゾーンのトーンを強調しすぎないように微調整
MIDDLE	5～7	中域を強調して音を太くする設定が基本
BASS	3～4	低音過多でブーミーにならないよう控えめに
DISTORTION	0～わずかにON	基本は0、太さが欲しい場合は「カチッ」と入れる程度

BOSS MT-2（メタルゾーン）のセッティング例

極端なドンシャリ・ハイゲインセッティング

• DIST：最大（10）
• LEVEL：歪みを踏んだ時にクリーンから1.2～1.5倍程度の音量になるよう調整
• HIGH：10時～1時（抜けを意識して調整）
• LOW：3時～4時（重低音をしっかり出す）
• MID：9時（大幅にカットしてドンシャリに）
• MID FREQ：低めの帯域（7時～9時）に設定し、重厚感を強調

このセッティングでは、JC-120の素直なクリーンに、メタルゾーンの圧倒的なゲインと、極端にMIDをカットした音色を乗せることで、輪郭がはっきりした迫力のあるメタルサウンドが得られます。

BASSを少し控えめにして、代わりにVOLUMEを上げて音圧を稼ぐという考え方も、音がスッキリして迫力が増すため効果的です。

センド/リターン端子を活用したJC-120 音作り

JC-120の音作りをさらに突き詰めるためには、背面にあるステレオ・エフェクト・ループ（センド/リターン）の活用が非常に有効です。

この端子は、アンプのプリアンプ部（音色を作る部分）とパワーアンプ部（音を増幅する部分）の間にエフェクトを挿入するために使われます。

センド/リターンの主な活用方法

• 空間系・モジュレーション系：ディレイやリバーブ、コーラスなどをセンド/リターンに繋ぐと、歪んだ原音を損なうことなく、非常に綺麗な空間効果が得られます。
• マルチエフェクターやプリアンプ：アンプシミュレーターを内蔵したマルチエフェクターや、高性能なプリアンプ（例：SANSAMP GT-2など）のステレオアウトを、JC-120のリターン端子に直接挿すことで、JC-120のプリアンプ（フロントパネルのつまみ）をバイパスし、マルチエフェクターで作り込んだ音を最大限に活かすことができます。

前述の通り、リターン挿しにすることで、プリアンプとして優秀な外部機器の音をJC-120のパワーアンプ（増幅器）とスピーカー（音を出す部分）だけを使って出力できるため、「もはやJCの音じゃない」音作りが可能になります。

ただし、リターン挿しをした場合、チャンネルリンク（チャンネル1と2を繋ぐ裏技）は使えなくなる点に注意が必要です。

他のペダルとBOSS MT-2の比較レビュー

メタルゾーン以外にも、JC-120対策として使用される歪みペダルは数多くあります。ここでは、その一部を比較します。

ペダル名	種類	JC-120との相性	備考
BOSS MT-2 (メタルゾーン)	ディストーション	非常に良い	強力な3バンドEQとMID FREQでJCの硬さを補正。低音の効いたハイゲイン向き。
TECH21 SANSAMP GT-2	アンプシミュレーター	非常に良い	アンプシミュレーターを搭載し、JCでマーシャルやブギーのような箱鳴り感を付加できる。
BOSS OD-3 (オーバードライブ)	オーバードライブ	良い	太く甘いオーバードライブサウンド。Charの「SMOKY」のような温かみのあるリードトーンに。
Ibanez TS9 (チューブスクリーマー)	オーバードライブ	良い	ミッドレンジをブーストし、JCの抜けを良くする。リードブースターとして人気。

メタルゾーンは、他のオーバードライブ系ペダル（OD-3やTS9）と比べて、圧倒的なゲインとEQの自由度を持つため、特に「メタル」というジャンルの深く重い歪みをJC-120で実現したい場合に最適な選択肢となります。

JC-120 音作り メタルの王道セッティングまとめ

JC-120 音作り メタルを成功させるための要点を、初心者の方にも分かりやすいようにまとめます。